みなさん、こんにちは。
ちゃんと野菜、摂取してますか?
と言うわけ(どうゆう訳だ)で、今回は国内メーカーの野菜室の機能について、徹底解説をします。
野菜室に『うるおい』って何の事?
野菜室の機能を語る上で、『うるおい保存』などという表現を使っているメーカーが多いです。
確かに、冷蔵庫に入れておくと、ラップをかけないと中で食材が乾燥して、鮮度や味の劣化を招きます。
では、まずその冷蔵庫で起こる乾燥の仕組みについて、お話をしていきます。
温度によって変わる空気中の水分量
皆さんも、寒い冬場は手肌の乾燥が気になりますよね。
一般的に雨季から夏場にかけて、日本の気候は湿度が高くじめじめしたものになりますが、冬場は逆に乾燥しており、肌荒れの原因になったりします。
これは、空気が蓄えられる水分の量が関係しているんですね。
じゃぁ、なぜ空気が蓄えられる水分の量が違うかというと、
空気の温度が関係しています。
基本的に、空気の温度が高いほど水を多く蓄えられ、温度が低いほど蓄えられる量は減り、蓄えられた水分は液体化します。
窓の結露やグラスの周囲に付く水滴は、温まっていた空気が窓やグラスによって冷やされて起こる現象なんです。
冷蔵庫では一番冷たい冷却器で結霜が起こる
では、元々低温の冷蔵庫では、どこで結露しているんでしょうか?
答えは、冷気を作る『冷却器』です。
正確にいえば、冷却器に付くのは水分が結晶化した『霜』です。
一般的な水分を含む空気が入ってくると、冷蔵庫の『冷却器』で急速に冷やされます。
冷凍庫のマイナス15~20℃の冷気を放出する『冷却器』の回りには、本来ですとどんどん霜が降りてしまいます。
これが、冷蔵庫内が常に乾燥する原因となります。
しかし、冷却器に霜が降りてしまうと、冷却能力や電気代に影響を及ぼしてしまうため、冷却器には霜取りヒーターが付いていて、自動で霜取りをしてくれるんです。
そして、霜が溶けて出来た水分は、霜取りで出来た水を受ける受け皿に溜まります。
この受け皿は、外気にさらされており、一定時間がたつと乾燥して庫外に放出される仕組みになっているのです。
このように、一般的な冷蔵庫は食材や空気中に含まれた水分を、冷却器に集めて常に庫外へ放出する仕組みになっています。
これで、冷蔵庫の中で食材が乾燥してしまう仕組みがお分かり頂けたでしょうか?
乾燥を抑制するうるおい機能
従来は、上記のような仕組みのため
冷蔵庫内に置いておくと、食材が乾燥してしまう
のは当たり前だったんです。
しかし、冷蔵庫の食材保存能力を高めるために、この従来は庫外に放出してしまう水分を逃がさないようにしよう、という機能が色々と開発されてきました。
東芝 摘みたて野菜室
東芝は冷却器に付いた霜を、溶かした後にファンを利用して庫内に戻し、常に潤いのある冷気を庫内に流すシステムを採用しています。
最初は、『モイスチャーキープシステム』を呼称していましたが、最近は『うるおい冷気』と名付けているようです。
『うるおい冷気』を一日20回以上、送り込むことにより、野菜は常に水分を補給している形となり、摘みたてのような瑞々しい野菜を楽しめます。
さらに、最近ではうるおい冷気を送り込む冷気口に透湿シートを採用する事により、野菜に冷気を当てず、湿度だけ庫内に充満させる事が可能になりました。
パナソニック モイスチャーコントロールフィルター
パナソニックの冷蔵庫にはNASAもびっくりの驚きの保湿フィルター『モイスチャーコントロールフィルター』が搭載されています。
密封された冷蔵状態の野菜室に、あえて空気循環用の窓があります。
しかし、この窓に湿度に応じて形状が変わる、特殊なフィルターが付いています。
このフィルターが、湿度が高い場合は湿気を放出し、湿度が低い場合は湿気を逃さない仕組みを持っています。
これによって、庫内の湿度が一定に保たれるようになっているのです。
日立 新鮮スリープ野菜室
日立の場合は、野菜室に湿気を含む冷気を供給はしていません。
しかし、野菜室上部にカバーをつけて乾燥を抑えると共に、野菜が出すガスを分解する特殊なフィルターをつけて、劣化を抑えます。
シャープも同様のカバーを採用しています。
最後に
さて、うるおい補給を中心に各メーカーの野菜室をご紹介させて頂きましたが、いかがだったでしょうか?
冷蔵庫の購入を検討されている方に、ぜひお読み頂ければ幸いです。では。