冷蔵庫選びの基本 教えます
お正月も過ぎ、節分を越えて、少しずつ暖かくなってきた今日このごろですが、あと一ヶ月で新年度、新学期を迎える季節です。
これから少しずつ暖かくなってくるにつれて、生活に必要不可欠となってくるのが、冷蔵庫ですね。
新年度の引越しや、夏のボーナスが出たら冷蔵庫の新調を考えている方も、いらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、冷蔵庫の選び方に関する記事です。
どれを選べばよいのか?
何を調べればよいのか?
そう考えている皆さんの、判断の助けになれば幸いです。
設置可能サイズを調べよう ~ 冷蔵庫を選ぶ前に ~
一番大切なことは、冷蔵庫は巨大な家電製品である、という事です。
国内メーカーの機種ですと、最大サイズで横幅90cm、高さ180cm、奥行き80cmと一昔前にあった『電話ボックス並み』の大きさになります。
一般家庭で使われるものだから、一般的な家庭に入るでしょ?
と思われがちですが、築うん十年に及ぶアパートなどで考えると、建築当時にこれ程巨大な冷蔵庫は一般家庭向けに存在しません。
ですので、まず冷蔵庫の設置スペースと搬入経路は必ず調べましょう。
よく、
手尺で計る方もいますが、なるべくメジャーを使いましょう。
あいまいな計り方をした数センチの誤差で、搬入できない事もある、それぐらい、入らない時には入らない物です。
※『購入してやった以上は、工夫して入れるのがプロだろ』は通用しません。
ちなみに、計る場所は設置スペースの横幅、高さの2点です。
側面は約1cm、上空は約5cmは空間を空ける必要があります。
これは、冷蔵庫が熱を持つため、放熱に必要なスペースです。
奥行きは、横のキッチン、戸棚などと平行して並べたい方は必要ですが、出っ張っても気にならない、という方は必要ありません。
前に出してしまえば良いだけです。
そして、注意して頂きたいのが、搬入経路です。
階段など通路。
搬入途中にある、扉。
https://kadenfan.hitachi.co.jp/rei/contents/rei_qa/contents03.html より引用
基本、冷蔵庫は二人で搬入しますが、上記の所を向きを変えたりしながら、二人で搬入できるか、という視点にたって、測定をして下さい。
冷蔵庫容量はどれが最適か ~ 基本は家族人数と買い物頻度 ~
設置場所のスペースを計ったら、次は設置できる冷蔵庫の中で、どのサイズ(容量)を選ぶか?という事になってきます。
最適容量の目安は、以下の計算式で算出出来ます。
70L × 家族の人数 + 170L = 最適な容量目安
これは、1週間の備蓄を想定した容量の目安です。
成人が平均70L程度の食材を一週間に使用しますので、これに家族の人数を積算します。
そして、予備(というか常備)として、もう一人分の70Lを足します。
最後に、調味料やその他貯蔵物が100L程度ある、と考えての基準値です。
家族の人数毎の目安は以下の通りです。
ただし、近年では各メーカーがワンランク上の冷蔵庫を推奨しています。
2017年以降は、家電の業界団体が上記の式にプラス100Lをお勧めとしています。
これは、
・共働きなど生活環境の変化により、まとめ買いの備蓄容量が増えてきた
・冷蔵庫は目一杯貯蔵すると冷気の流れが悪くなり、電気代が増加する
この2点が影響を及ぼしています。
とりわけ冷蔵庫は10年程度を使用の目安としているため、小さなお子さんがいる家庭などは10年間で消費食材の量が跳ね上がります。
生活環境は変化するものと割り切り、基準よりも大きめの冷蔵庫をお勧めします。
冷却システムの違い ~ シングル冷却とツイン冷却 ~
冷蔵庫には、冷気を作るための『冷却器』が内臓されています。
この冷却器ですが、メーカーや機種によって冷却器の搭載数が違います。
冷却器の2個搭載が基本になっている東芝は、『ツイン冷却』としてPRしています。
東芝 冷蔵庫 GR-D62F:家電製品 Toshiba Living Doors
基本的に、冷却器の近くは強い冷気が流れ込むので、製氷室、冷凍室が一般的です。
しかし、冷気を効率的に送りこむために冷却器を中段近くに配置すると、中段は冷凍庫、または製氷ルームと、レイアウトが限定されてしまいます。
また、冷たい冷気を送ると冷蔵室に流れ込んで冷凍になってしまうため、作る冷気の温度帯もやや高めになってしまいます。
その問題点を解決するため、東芝は冷却器を2つ搭載した『ツイン冷却』を採用しています。
ツイン冷却そのものに便利機能がある訳ではないので、『なぜメーカーによってレイアウトが違うのか』と不思議に思う方は、予備知識程度に覚えておいて下さい。
電気代は15年前の3分の1以下
猫も杓子もエコな世の中で、冷蔵庫の年間使用電気代は10年前より劇的に変化しています。
カタログ数値なだけで、実際は違うのではないの?という声も聞きますが、実際下がっています。
きちんと理由があって
・外からの温度を遮断する断熱材の進化
・こまめに温度を管理する温度センサー機能の進化
・コンプレッサーの低音、低電力化
というのが、理由です。
実際問題として、年1万円くらい違う場合もあるので、故障気味の冷蔵庫を我慢して使っているより、取替えを検討したほうが最終的に安上がりです。
冷蔵庫の機能は大まかに分けて5つ ~ 機能解説 ~
冷蔵庫の貯蔵室には、大きく分けて5種類あります。
仕切りで分けてある各室は、それぞれ設定温度帯が違い、それによって機能や用途も変わってきます。
冷蔵庫を選ぶにあたって、どの箇所を重視するのかが分かれますので、それぞれの機能と使用目的を紹介します。
冷蔵室:一般的な食材、飲料用の貯蔵室
一般的な食品(調理済み品、要冷蔵品、卵、飲料など)を保管する場所です。
野菜以外で、冷凍保存に適さない物が対象となります。
下部にチルドルームが併設されているのが一般的です。
また、ドアポケットに飲料を入れるのは、冷蔵室奥に冷却口があるので、冷たい冷気に当てて液体が凍らないようにするためです。逆に言えば速く冷やしたい場合は、奥の方に入れると速く冷えます。
近年では、庫内を明るくするLED化、プラスチック素材に比べて掃除がしやすいガラス棚などが主流となっています。
チルド室:肉、魚類など鮮度を重視する食材の専用室
3日以内に使用する肉、魚など生もの類はこちらへ収納します。
冷却口に近いため、0度前後の冷気が送りこまれており、より鮮度を重視する物の貯蔵室です。
チーズなどの乳製品や、ちくわなど練り物もこちらに保管が適しています。
ただし鮮度が必要な物とはいえ、常温保管が推奨される卵類の保管には向きません。
日立の『真空チルド』、パナソニックの『パーシャル冷凍』など、各社特色を出している場所でもあります。
製氷室:氷を作る製氷機と専用ストッカー
製氷ルームそのものに、大きな機能進化はありませんが、
・洗える製氷皿、抗菌コートなど清潔機能
・大きめな氷、透明な氷など、製氷機能
など、各社工夫を凝らしています。
野菜室:水分を保持し、野菜の鮮度を上げる
近年、各メーカーが注力しているのが野菜室です。
葉野菜や根野菜など、大物を収納できるよう、ストッカー式が主流です。
また、野菜の鮮度を保ち、より美味しくなるよう、冷蔵室よりは低い温度帯(2~4℃)で保存するよう、温度が保たれています。
冷凍室:機能付き冷凍室と一般冷凍室の2種類がある
製氷室と隣接する『機能付き冷凍室』と、一般的な冷凍食品を保存する冷凍室の2室があります。
機能付き冷凍室は、各メーカーが『野菜冷凍』『切れちゃう冷凍』など、メーカーの特色である機能を搭載している場所です。
ただし同じ冷凍室とはいえ、通常の冷凍室より温度帯が高めなので、氷やアイスクリームなど低温を必要とする食材は、保存できません。
一般の冷凍食品などは、通常の冷凍室で保存をお勧めします。
以上が、各貯蔵室の機能紹介となります。
最後に:ライフスタイルに合った冷蔵庫選びを
冷蔵庫を検討している方にとって、あなたに合った冷蔵庫選びの参考になったでしょうか?ご参考にしていただければ幸いです。
次回以降は、各メーカーの冷蔵庫をご紹介させて頂きますので、ぜひご覧ください。
では。