みなさん、こんにちは。
今回は冷蔵庫の容量表示についての、お話です。
ご存知の方もいると思いますが、ご興味のある方はぜひご覧ください。
冷蔵庫は表示容量通りには収納できない
日々、食費の節約に努める方や育ち盛りのお子さんをお持ちの方にとって、冷蔵庫の容量って大切な問題ですよね。
食材は、少しでも安い時に購入して、鮮度が落ちる前に使い切りたい。
買い置きをしたら、冷蔵庫が一杯で入れるのが大変だった、なんて経験はどなたでもあるのではないでしょうか?
さて、それでは問題です。
下記の2種類の冷蔵庫ですが、たくさん入るのはどちらでしょうか?
NR-F504HPX
NR-F504GV
正解は、下の504GVの方です。
って、内容量が501Lと500Lだから当たり前ジャン、て話になりますが、実はそこが問題ではありません。
表記上ではわずか1Lしか違わない冷蔵庫ですが、実は下の504GVの方が3Lも多く入るんです。
3ℓというとお茶の2.5ℓ入りペットボトル一本分の差ですから、結構違います。
では何がそんなに違うのでしょうか?
定格内容積と収納容積の目安
実は工業基準で、冷蔵庫の容積表示は決められています。
『棚板や間仕切りなど、工具なしで外した上での内容積』が基準です。
これを『定格内容積』と名付けられ、皆さんが家電量販店などで比較対象にする表示容量として利用される容量になっています。
卵ストッカーなども外した状態でカウントされるため、500ℓの冷蔵庫を買ったからといって、500ℓ分が収納できるわけではありません。
また、昔は食材が入れられない通気ダクトも算出対象でしたが、現在はダクトは除く内容積、となっています。
しかし冷蔵庫は本来、冷気を庫内に循環させるための通り道が必要ですが、遮断さえしなければ容量に混ぜてよい、と決められています。
例えれば500リットル分の水が入る容積、と考えていただければ正解です。
ちなみに、『工具なしで外した上での内容積』ですので、棚板等を全て外せる製品の方が、容積表示上では有利になります。
日立の『真空チルドルーム』は、密閉してある構造上外す事が出来ないので、若干ですが容積表示上不利です。
ただし、棚板が全て外せる、というのも表示容積をごまかすためだけの仕組みではありません。
庫内や棚板を掃除するときに、棚板全てが外せる、というのは超便利なんですね。
例えば現在では氷を作るための製氷皿も、『洗える製氷皿』という名前になって、取り外しが出来るようになっています。
が、過去には製氷皿が取り外せなかった製品もあり、内容積表示上は製氷ルームが小さくなっていました。
ただし、設計上は空間(収納庫)とはいえ、実使用にそぐわない表記は決して好ましいものではありません。
現在では、内容積表示の他に『食品収納スペースの目安』が併記されている事が一般的です。
収納量の目安もよく見よう
冷蔵庫のカタログ表記には、下記のような図表が掲載されています。
画像は三菱製の『MR-MX50E』です
MR-MX50R
画像の通り、〈〉で区切られているのがメーカーが考えている『食品収納スペースの目安』です。
この目安は定格内容積と違い、メーカーが通常使用で収納出来る考えているスペースが記載されています。
おおよその目安は定格内容積の65%だそうです。
しかし単純に定格内容積に65%を掛けた数字、と言う訳ではなく、棚が入った状態で収納量が計算されています。
本来、冷蔵庫は下部の野菜室や冷凍室がストッカー式です。
ストッカーは天板ぎりぎりまで入れてしまうと、引き出せない、閉まらない、などの不具合が生じるため、 収納限界が庫内に記されています。
そういった事も考慮して、『食品収納スペースの目安』は作られているんです。
分かり易い例として、上記の『MR-MX50E』の前年モデルである『MR-MX50D』は、同じ寸法で同じ定格内容積です。
しかし、よく見ると両方とも野菜室が定格で98Lなのに、収納スペースの目安が1L違います。
野菜室には、ねぎや果物など小さめの野菜を入れるために、上部にストッカーを取り付け、2段式になっている場合が多いです。
現物は見てませんが、ひょっとしたら棚などの形状に工夫を凝らし、少しでも多くの容量が入るようにしたのかもしれませんね。
最後に
このように、冷蔵庫の内容量を表す表記には、棚を外して単純に庫内容量を表記した『定格容積』と、実使用を想定して表記してある『収納スペースの目安』の2種類が存在します。
そして、定格内容積が同じ大きさでも、収納スペースの目安は同じではない場合もあります。
家電量販店やメーカーが配布しているカタログでは、『定格容内容積』が大きく表示されていますので、そこの表記のみで判断をするのではなく、実使用での使い勝手を見ることをお勧めしています。
それでは、最後までお読み頂き誠にありがとうございます。