インベスティの買い物日和 

家電大好き中年が、製品を作るメーカーの歴史やお勧め製品を紹介します

【プリンタ】結局どれを買えばよいの?2019 キヤノン編

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皆さん、こんにちは。

家電大好き、インベスティです。

さて、前回は2018年モデルのお勧めプリンタ【エプソン】をご紹介させて頂きました。

続いて、国内二強を誇る、『キヤノン』製品をご案内します。

 

 

研究室から生まれた『偶然の産物』である『バブルジェット』方式

キャノンのプリンターの多くが、型番に『BJ』が入っているのをご存知でしょうか?

実はこれ、他のエプソン、ブラザーと方式が異なる『バブルジェット』方式の頭文字なんですね。

キャノンは自社開発の印刷方式を『バブルジェット』と名付け、製品型番に頭文字を採用しています。

エプソン、ブラザーは『ピエゾ方式』

現在、多くのメーカーで採用されているのが『ピエゾ式』と呼ばれる方式です。

これは、インクの噴出方法に、電圧をかけると変形する『ピエゾ素子』と呼ばれるものを使用した方式だからです。

プリンタヘッドに内臓されたピエゾ素子の変形によってインクが押し出され、押し出されたインク粒で印刷します。

この方式は、電圧制御のため精度の高い印刷物が出来上がりますが、構造が複雑なためインクヘッドが大型化しやすいのが特徴です。

また、内部で気泡が発生する可能性を残しているので、目詰まりの原因になります。

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これに対し、『バブルジェット』方式では、プリンタヘッドを加熱する事により、インク内で気泡が生まれ、その圧によってインクが噴出します。

この気泡は、元々インク中に溶け込んでいた空気が、熱せられて分離しただけです。

冷えればまたインク内に溶け込んでいきますので、目詰まりの原因になりません。

またピエゾ素子を利用するより構造が簡略化するため、小型化しやすくなります。

キャノンは自社でこの技術を開発し、現在はほとんどの自社インクジェットプリンタで採用しています。

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出典:インクジェットプリンターの方式 | IJPステーション | キーエンス

偶然発見された技術を製品化

実はこの技術、狙って作られた訳ではないです。

なんとインクの研究をしていた際に、インク原液が入った注射器の針が、熱せられたハンダごてと接触した際に、針の先端からインクが飛び出しました。

この現象を不思議に思って研究していくうちに、プリンタヘッドの小型化につながる発見がされたそうです。

これが後にキャノンの屋台骨となる『バブルジェット』方式の誕生です。

まぁ、液体の入った注射器とハンダゴテが接触するなんて、まず滅多に起こることではないですね。

キャノンという会社が存在してこそ、生まれた技術と言えます。

熱する事により目詰まりを解消

従来のインクジェットプリンターのプリンタヘッドは、ヘッド部分に残ったインクは乾燥すると固まってしまい、ヘッドの目詰まりの原因となります。

そのため、内蔵されたブラシのようなものでヘッドを擦って目詰まりを解消する訳ですが、その清掃がプリンタヘッドを消耗させる原因となったりします。

しかしこのバブルジェット方式は、固まったインクを熱によって溶かすため、ヘッド清掃による磨耗を抑えられます。

バブルジェット方式が実現した『ラップトップ』プリンタ

上記の項目で触れましたが、バブルジェット方式はピエゾ式に比べ、ヘッドの構造が単純なので小型化に向いています。

そのため、キャノンは1990年にラップトップ(膝の上)型のインクジェットプリンタ『BJ-10V』を発売しました。

当初はモノクロのみでしたが、横幅40cm、奥行きが21cmという超小型プリンタを発売することにより、ノートパソコンと共にプリンタも持ち運びができる時代を切り開きました。

 

 

 

エプソンとは方向性が異なる『6色インク』

エプソン製品を紹介する記事で、『赤と青に薄い色のインクを作り、より鮮明にした』という内容でエプソンの6色インクを紹介させていただきました。

キャノンも同じ『6色インク』を採用しているのですが、色の内容がエプソンとは違います。

キャノンの特徴の一つ目は、まず『材料の異なる2色の黒が採用されている』事です。

具体的にいいますと、インクは大きく分けて『染料インク』と『顔料インク』の2種類が存在します。

 

『染料』とは文字通り、布などを染めるために使用される材質です。

 

染料インクは染織物同様、印刷用紙に染み込んで印刷されますので、印刷面に色ムラや凹凸が出来にくく、より多彩な色を発色をします。

しかし水溶性のため水に弱く、印刷物が雨に濡れたりすると、滲んでしまいます。

 

それに対し『顔料』は、化粧品などに使用される材料を使ったインクです。

基本的に『油性』で、あくまで用紙の表面にインクを載せているイメージです。

その結果、染み込ませる染料よりはっきりした色合いを出せますし、水を弾くので雨などの水にも強いです。

しかし、濃淡の調節が難しいので、写真印刷ですと鮮やかな染料に軍配が上がります。

 

キャノンは黒に限り、染料と顔料の二本のインクを採用する事によって、用途に応じた使い分けを可能にしています。

たとえば、モノクロ文章では顔料インクを採用して文字をはっきりと読み易い文字で印刷し、カラー(写真)印刷では、染料インクでより豊かな色を再現しています。

エプソンの6色インクは全ての色を染料にしているので、こういったインクの使い分けが出来ません。

これが『写真はエプソン、文書中心ならキャノン』と言われる理由です。

カラー印刷用インクに『グレー』を採用

もう1つの特徴として、キャノンの現行プリンタの多くで、『グレーインク』が採用されていることです。

※全機種で採用されている訳ではありません。

また、他メーカーでもグレー色を一部機種で採用しており、キャノン独自でもありません。

 

通常インクジェットプリンタは、イエロー(黄)、マゼンダ(赤)、シアン(青)の三色を使って、その他の混合色(緑、紫、黒など)を作っています。

そのため、色の混ぜ具合によって、黒や灰色が下のように3色に寄った色合いになってしまうのです。

それを防ぐために、キャノンプリンタでは『グレー』色を採用しており、印刷データからの再現度を高めています。

 

XKシリーズに採用された『フォトブルーインク』

現行『ピクサス』シリーズの上位モデルにあたる『XK』タイプには、新色の『フォトブルーインク』を採用しています。

簡単に言えば『シアン(青)』と『マゼンダ(赤)』を最初から混ぜた混合色ですので、紫を新たに採用した、と考えれば早いです。

これにより、写真をより鮮やかできめ細かく再現しています。

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現行モデルはどれがお勧めなのか? キャノン編

 エプソン編では『EP-881A』をお勧めさせて頂きましたが、キャノンで同ランクは『TS8230』となります。

値段、性能共に悪くない機種なのですが、なぜでしょう。

2018年は、2017年モデルに当たる『TS8130』が大量に出回っているんですよね。

※2019年1月現在

価格差が10,000円ほどあり、デザインは一新されましたが、それ以外の性能があまり大差ないような気がします。

ただし、出回っている物のほとんどが黒と白、赤はなさそうです。

スペック表を見る限り、判で押した、というかそのままコピペした?ぐらいの同仕様ですので、8130が手に入るのであれば『TS8130』がお勧めです。

また、『写真はエプソン』というお話をしましたが、エプソンは色鮮やかに、キャノンは人間の目で見える色を忠実に再現する、という各補正方針でもあります。

写真は印刷したいけど、エプソンはちょっと・・・、と言う方には、少々お値段が張りますが『XK』シリーズも視野に入れる事をお勧めします。

従来、キャノンはデジカメ、とりわけ一眼レフなどで定評のあるメーカーです。

その自社製カメラの印刷データを下に、『ピクサス』シリーズは開発されていますので、キャノン製品で揃えるなら断然『XK』シリーズをお勧めします。