『銀河の歴史に、また1ページ』
銀河英雄伝説アニメ版の次回予告で使われる有名な台詞です。
ちなみに、アニメ版は全4期に分けて製作されており、各期の最終話と最終話前は台詞が少し変えられています。
ご興味がある方は、ぜひご自身で銀河の歴史を紐解いてみて下さい。
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銀河英雄伝説の舞台背景
遠い未来の銀河系で起こる人類の抗争を描いた、和製スペースオペラ屈指の名作です。
舞台は、人類が地球という揺り籠を捨て、銀河系に進出を果たした架空の遠未来が舞台となっています。
この時代において、宇宙には二つの国家が並立していました。
1つは、中世の封建時代を思わせる、専制君主国家である『銀河帝国』です。
元々、宇宙最初の単一民主政府であった『銀河連邦』を、若きカリスマ、後の銀河帝国皇帝『ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム』が乗っ取り、自身と子孫を唯一不可侵の座につける専制国家を打ち立てました。
その専制主義に意を唱え、長い逃避行の果てに、帝国の目の届かない場所に民主主義国家を打ち立てたのが、『自由惑星同盟』です
広大な宇宙では『専制国家』と『民主国家』という、イデオロギーの異なる国家が互いの主張を譲らず、いつ果てるとも知れぬ戦乱と混迷の日々を、歴史に刻み続けていました。
しかし、永遠に続くと思われていた歴史に変革の時が訪れます。
帝国と同盟に、後の歴史に名を刻む二人の英雄が現れたのです。
奪われし簒奪者 ラインハルト・フォン・ミューゼル
帝国に現れた英雄の名は、ラインハルト・フォン・ミューゼル。
経済的理由が産んだ奇跡の英雄 ヤン・ウェンリー
時を同じくして、もう一人の英雄、ヤン・ウェンリーが自由惑星同盟に生を受けます。
彼はただ、自分が好きな歴史の研究者になりたかっただけでした。
しかし、志望の大学に入学する直前に、父を宇宙船の事故で失います。
ある日突然、無一文になってしまったヤンは、タダで歴史が学べる士官学校の戦史研究科へ潜り込みます。
しかし、運命の女神は不純な動機と稀代の謀才を持つ彼の思い通りには動いてくれず、戦局の悪化を理由に戦史研究科は廃止。やむを得ず戦略研究科に転属したところ、その将才の片鱗を発揮します。
その後、自身の理想とは掛け離れた経済的理由で、やむを得ず軍士官となったヤンですが、配属先の惑星『エル・ファシル』にて、彼の運命を大きく変える出来事が待っています。
駐在する惑星は帝国軍の奇襲を受け、味方である同盟軍は、ヤンと民間人を置いて遁走しました。
図らずも民間人を脱出を実行する責任者にされてしまったヤンは、圧倒的優位を誇る帝国軍を相手に、ペテンともいえる手段を用い、奇跡の脱出行を演じるのです。
『ミラクル・ヤン』
『エル・ファシルの英雄』
民衆を置いて軍が遁走した、という事実をひた隠すべく、政府はヤンを英雄に祭り上げました。
着慣れぬ服の着心地に辟易しながら、後に生涯最高ともいえる雄敵が待つ戦場へと、彼は今日も向かいます。
Ⅰ 黎明篇 あらすじ
原作において、英雄二人の最初の邂逅ともいえる『アスターテ会戦』から物語が始まります。
永遠の夜の中で アスターテ会戦
倍の兵力に三方向から包囲されるという、圧倒的不利な状況下から緻密な作戦指揮を持って勝機を掴み取り、同盟軍に壊滅的打撃を与えるラインハルト。
優勢から一転し壊滅的打撃を受けた味方を率いて、全軍崩壊の危機から脱出を図るヤン。
のちに常勝将軍と呼ばれるラインハルトの華麗なる戦術と、不敗の魔術師として後世に名を残す知将ヤンの戦術が、広大な宇宙を舞台に激突します。
第十三艦隊誕生 イゼルローン攻略戦
アスターテ会戦終結後、ヤンを待っていたのは驚愕の知らせでした。
アスターテの功績を認められたヤンは、新造の半個艦隊を率いて『難攻不落の宇宙要塞』と言われたイゼルローン要塞攻略を命じられたのです。
同盟軍が大軍を持ってしても陥とす事が出来なかった難攻不落の要塞を相手に、ヤンの知略が冴え渡ります。
死線 アムリッツァ 帝国領侵攻作成
最後は同盟軍の一大侵攻作戦と迎え撃つ帝国軍の闘いを描く『アムリッツア会戦』です。
一部の軍首脳部と政府の暴走によって、同盟軍は戦略的意義が見出せないまま、帝国軍領内へと全軍を持って大侵攻を図りました。
アスターテ会戦の戦功を持って元帥に昇格したラインハルトは、侵攻作戦に対応するべく、揮下の兵力を持って同盟軍を迎え撃ちます。
建国当初の理想を忘れ、民主主義国家としての矛盾を露呈しつつある同盟。
ラインハルトの出現によって変革の時を迎えようとする帝国。
宇宙を挟んで相対する二つの勢力の激突は、永続と思われた二つの国家に変化をもたらします。
二人の英雄は、この戦争の果てに何を手に入れるのでしょうか?
以上が銀河英雄伝説Ⅰ 黎明篇の物語です。
歴史小説と群像劇の交差点
重厚な歴史小説の体裁を持ち、時に矛盾する国家観に対して痛烈な批判を交えながら、魅力溢れるキャラクター達の躍動する様は、読む者に芳醇で爽快な読後感を与えます。
ご興味のある方はぜひ、アニメでも原作小説でもお好みの方を手にとって頂ければ幸いです。
では、最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。