さて、前回は掃除機でしたが、今回は家電製品の中で高額といわれる『冷蔵庫』の疑問にお答えしつつ、冷蔵庫選びのポイントなんかをご紹介いたします。
冷蔵庫に買い時ってあるの?
まず、高価な物ですと30万を超える製品もある冷蔵庫ですが、いつ買ったら安いのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
その答えは夏です。
自信を持ってお答えしますが、冷蔵庫ほど買い時が明確な製品も珍しいんですね。
冷蔵庫の一年のサイクルで話をしますと、
秋 各社新製品発売
⇒新製品なので高い
冬 ボーナス商戦
⇒冬は意外と壊れる
春 新生活(新居)向け
⇒小型が良く売れる
夏 夏によく壊れる
⇒各社薄利多売
秋 型落ちと新製品を併売
⇒昨年モデルは売れ残り品
と、こんな流れになっています。
注目して頂きたいのが、壊れやすい時期が毎年決まっているのです。
ここには明確な理由があって、日本の家電には『使用周辺温度 0℃~40℃』とされている製品が多数存在します。
何の事かといいますと、日本の家電の多くは正常動作の環境基準に『気温0℃~40℃』という値を定めて開発をしている場合が多いのです。
※全ての家電製品に当てはまる訳ではありません。
もちろん氷点下や40℃を超えた場所で使うと、その瞬間に100%ぶっ壊れる訳でもありません。
※メーカーが公表しているわけではありませんが、-20℃や+60℃以上の『人間住めないだろ』環境レベルでの試験はしているようです。
しかし、長年使い続けて寿命が近づいている冷蔵庫にとって、35℃以上での稼動や、冷たい物を求めて頻繁にドアを開ける(庫内温度を上昇させる)この季節は、文字通りの酷暑、『死のロード』ともいえる季節なのです。
それほど頻繁に買い替えが起こりやすい季節に、ほどよく値段がこなれた製品を提供して、各社シェア争いを演じています。
最近では一部モデルを2~4月にモデルチェンジする動きもありますが、一年を通した中での冷蔵庫の買い時は間違いなく『夏』です。
新製品が出る秋に買えばもっと安いのでは、という意見があるかと思いますが、それももちろん正解です。ほとんどの場合、秋の方が値段は下がっています。
しかし、基本的にメーカーはGW~お盆にかけて、秋向けの新製品を作っています。
ゴールデンウィークまでに作り終えて、夏場に売り切れたらそこで販売終了、となってしまう製品も見かけます。
お目当ての製品の値下がりを待っていたら、その前に生産終了になった、在庫が無かった、色が選べない、なんて事は覚悟して値下がりを待ちましょう。
秋の方が安いでしょうが、モデルも豊富で値段もこなれているのは夏場です。
ちなみに『冬も意外と壊れる』と書きましたが、実は上記に関係する話です。
冬は寒いので、室内は暖房を入れます。そして、寒い時には鍋物なんかも美味しいですよね。
こうして、一時的に冷蔵庫に負担が掛かる環境が出来上がり、リタイアする冷蔵庫が現れたりするのです。
『壊れたら考える』という方も多いですが、冬に故障してしまって泣く泣く高値掴みをするよりは、計画的に夏場の安い時期に購入することをお勧めします。
ただし、気をつけて頂きたいのが、近年は各メーカーが一斉に製品をモデルチェンジするのではなく、各季節に各サイズの製品をバラバラで発表し始めました。
500リットルクラスは、最近ですと1~3月にかけて市場に新製品を投入したりしていますので、1月~3月までが価格的に安かったりもします。
メーカーの戦略によって変わる場合もありますので、充分注意して下さい。
どの大きさの冷蔵庫を買えばよいのか
容量に関しても、ある程度の目安を持って製品は開発されています。
その目安とは、
70L × 家族の人数 + 100L(常備分) + 70L(予備分)=冷蔵庫容量
となっています。
家族の人数に応じて容量を決めればよいのです。
しかしここに登場するのが、家庭での買い物の頻度や食材に関する考え方です。
毎日の買い物を日課としている方もいれば、週末セールでのまとめ買いを楽しみにしている方もいて、買出しの量と頻度は人それぞれです。
また、塩からマヨネーズまで調味料を冷蔵庫で保管する方、飲料水を冷蔵で常備する方、なども考え方は違います。
最近ではお米を貯蔵する冷暗室代わりに、冷蔵庫を利用する方も増えてきました。
基本的に冷蔵庫の耐久性は10年が目安ですので、小さなお子さんがいらっしゃる家庭などは、加速的に子供の食事量が増えていきます。
こまめに買出し、買い置きはしない、調味料や飲料を冷蔵保存しないという方を除き、目安の計算より1つ上の容量を購入しておくのが賢明でしょう。
実はこれ、電気代にも良いのです。
常に満載の冷蔵庫より、多少余裕のある貯蔵量の方が電気代が抑えられますので、長い目で見たときにはお得になったりします。
冷蔵庫を買う場合の注意することってなに?
一番注意しなければならないのは、全家電中、最大の大きさを誇っている事です。
『そろそろ新しいものにしたいけど、今より少し大きめの物が欲しいなぁ』
とか、考えているそこの貴方。
今の冷蔵庫の設置場所に、新しい冷蔵庫が入るのか、確認しましたか?
一般的な目安ですが、
【2~3人向け】
400~450L前後 幅60~65cm
【4~5人向け】
470~550L前後 幅65~70cm
【それ以上】
600~700L前後 幅68.5~75cm
となっています。
そして冷蔵庫は設置の際に必ず両横に1cmは隙間を空けなければいけません。
ご自宅の間取りによって、冷蔵庫設置用のスペースが確保されている場合がありますが、そこの幅が入らなければ置けません。
家電屋さんに行く前に、ご自宅の設置スペースを確認しましょう。
更に気をつけたいのが、ご自宅に設置する際の搬入経路です。
とりわけ集合住宅や2世帯住宅などは、配達員が持って階段を上がらなければならない事もよくあります。(5階建て以下はエレベーターが無いですので)
そこを通れるか、念のため確認をして購入する事をお勧めします。
家電量販店によっては『設置の際のお約束』などと書かれた書面で、チェックをしているお店もありますので、ご注意下さい。
最後に
冷蔵庫を買う際の注意事項は以下の二つです。
- 10年使うことを考えて、1つ上の容量の冷蔵庫を購入する
- 設置場所、搬入経路をしっかり計った上で、購入する製品を決める
以上の事に気を付けで、ぜひ最適な冷蔵庫をお選び下さい。
ではでは。